研究内容

大きくは以下のグループに分かれて研究を進めています。

1.自動車予防安全技術に関する研究


居眠り運転に至るリスクの高い時点の事前予測システム開発



居眠り運転防止を目的として,居眠り運転状態を予測するシステムの開発をしています。そのために,ドライバの行動指標(ステアリングの把持圧,シートの背圧・座圧,首屈曲角度など)と生理指標(脳波,瞬きなど)の時系列変化から居眠りを予測する手法の確立を目指しています。


2.安全・ヒューマンエラーに関する研究


認知的バイアスとヒューマンエラー,事故の関係性の分析



われわれ人間は必ずしも常に合理的に行動するわけではなく,様々な認知的バイアスによって意思決定が歪み,不合理な行動をとると言われています。この認知的バイアスがリスク評価の誤りや違反行動などの不安全行動を引き起こし,それがもとで重大な事故が起こるケースも多くあります。当研究室では,認知的バイアスがヒューマンエラーや事故につながるメカニズムを明らかにし,安全なシステム・組織作りに貢献することを目指しています。


3.人間と機械(システム)のインタフェースに関する研究


視線入力システムに関する研究



高齢者や上肢不自由者のように手指の運動機能が十分でないと,マウスによるパソコン操作が困難になります。そのため当研究室では,高齢者や障がい者でも使いやすい入力デバイスの実現のために,視線入力インタフェースの研究に取り組んでいます。例として,視線入力システムのための有効な入力方法(クリック,ドラッグ,メニュー選択など),有効な画面デザインやポインティング作業のモデリングに関する研究などを行っています。


自動車内のシステムとドライバのインタフェース



近年の技術革新により,様々な自動車の安全運転支援システムが開発されています。当研究室では,それらの安全性・有効性向上のために,人間工学の観点から最適な設計要件を明らかにすることを目指しています。例えば,ミラーレス車におけるカメラモニタシステム,危険状況への警報提示システム,車載情報機器の操作画面などについての研究に取り組んでいます。


わかりやすい操作画面のデザイン



われわれは日頃多くの機器を操作する機会がありますが,その多くは操作画面を通してのやり取りになります。ユーザと機器の画面のインタフェース着目して,わかりやすい画面の実現,および画面デザイン方法の確立を目指しています。特に,ユーザの操作イメージである「メンタルモデル」の観点から,わかりやすい画面デザインの研究を行っています。


卒業研究・修士研究テーマ例

最近の卒論・修論題目の一例です。

自動車予防安全技術に関する研究


居眠り運転に至るリスクの高い時点の事前予測システムの開発

・ARIMAモデルによる時系列予測とトレンド分析を併用した居眠り運転リスクが高まる時点の予測
・安全状態維持率と行動指標のエックスバー管理図を用いた居眠り運転事故のリスクが高くなる時点の予測
・傾向分析による客観的覚醒水準低下時点予測の試み
・行動指標の機械学習による眠気評価の試み


安全・ヒューマンエラーに関する研究


認知的バイアスとヒューマンエラー,事故の関係性の分析

・結果に対する期待感と安全性または効率性重視の教示が違反行動へ及ぼす影響・違反行動の感染現象-違反に基づいたヒューマン・エラーに関する基礎研究-
・低価値・高価値の選好順序,疲労による意思決定への影響に基づく人間の不合理行動に関する研究-安全マネジメントに関する基礎的研究-
・効率値を基にした不合理な意思決定-AFEFの発生の検証と除去の試み-
・安全に対する期待感,効率重視,安全重視の考え方,上司への依存性が安全の楽観視に及ぼす影響
・満足度とゼロ価格効果の関連性および送料付き商品におけるゼロ価格効果の検証


人間と機械(システム)のインタフェースに関する研究


視線入力システムに関する研究

・視線と音声を用いた入力インターフェースの有効性の検討
・視線入力とマウス入力のFittsの法則の拡張モデル・カーソル移動特性の比較
・マウスと視線入力のThroughput解析に関する研究


自動車内のシステムとドライバのインタフェース

・騒音環境の違いが自動車運転時の聴覚警報と触覚警報の有効性に及ぼす影響
・車内液晶ディスプレイおよびルームミラーと一体化されたディスプレイによる自動車用サイドミラーの代替方式の有効性に関する研究
・車載情報機器のGUIに対するメンタルモデル構築度合が自動車運転に与える影響


わかりやすい操作画面のデザイン

・タッチパネルGUIの画面構成の違いがユーザのメンタルモデル構築度合に及ぼす影響


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